発生予察用フェロモン剤

 昔は、害虫の発生状況を把握する方法(発生予察の方法)として、畑で捕虫網を振ってネットに入った虫を数えるスイーピングや、水銀灯などの光で集めた虫を数えるやり方が一般的でした。経験者は分かると思いますが、これらの方法だと、害虫・益虫かまわず様々な昆虫が捕獲されるため、捕まえた虫の分別がとても大変です。それなりに分類学の知識が必要でもあり、誰でも簡単にできるシロモノではありませんでした。
 ところが、種特異性が高く狙った虫を捕獲できる性フェロモンを利用すると、発生予察は飛躍的に簡単になります。日本植物防疫協会が斡旋しているリストから目的の害虫の資材を購入すれば、初心者でもすぐに害虫の発生状況を把握することができます。

日本植物防疫協会:発生予察資材リスト http://www.jppa.or.jp/shuppan/yosokuzai.html

(注意事項)
発生予察用フェロモンは、農薬登録を受けおらず、「虫を集めて被害を減らす」という目的には利用できません。
 あくまでもその畑にどのくらい虫がいるかのチェックに使います。その結果、「今年は虫が少なそうだから、殺虫剤を撒くのを止めておこう」とか「発生がピークみたいだから、今のうちに殺虫剤を撒いてしまおう」などの判断が可能となります。
 発生予察用フェロモン剤は、殺虫剤を上手に利用するための補助資材でもあります。



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