交信かく乱剤
性フェロモンには「微量で効く(誘引する)」という特徴がありました。
下図《自然の状態》では、メスのわずかな匂いをたどってオスが移動しているところです。この畑に、人工的に合成した性フェロモンを畑に充満させたらどうなるでしょうか。
《交信かく乱剤を設置》すると、人工的に合成された性フェロモンによって惑わされたオスは、どれが本物の匂いか分からずデタラメに飛びまわりメスにたどり着けません。その結果、交尾ができず、次世代の害虫の発生を防ぐことができます。
このような現象を交信かく乱といい、交信かく乱を目的とした商品を「交信かく乱剤」といいます。
「微量で効く(誘引する)」という性フェロモンの特徴を逆手にとり、合成した人工の性フェロモンを大量に充満させて、虫の誘引を邪魔しています。
交信かく乱剤は、農薬取締法に基づき「農薬」として登録を受けていますが、毒性が極めて低く有機JASでの使用が認められています。
特長・メリット
特長その1 安全・安心をお届けします
もともと自然界で虫が利用している匂いです。毒性が極めて低く、人畜・作物を含めたすべての環境に安全です。
交信かく乱剤の安全性は、国内だけで無く海外でも認められ、多くの国で交信かく乱剤に関する残留検査が免除されています。
輸出用農作物の栽培にも安心して使用して頂けます。
メリット 1
消費者が求める安全・安心な農作物生産が出来ます。
メリット 2
農作業をする人に安全です。
メリット 3
輸出用農作物の栽培にも利用できます。
特長その2 効果の持続期間が長い
近年温暖化の影響で虫の発生が前倒しになるケースが増えました。殺虫剤は1~2週間しか効きませんから、カレンダー通りに散布していると知らず知らず防除適期を外してしまう危険性が高まっています。
一方、交信かく乱剤の効果は24時間途切れることなく数か月続きます。「今年は思ったより虫の発生が早くて散布が間に合わなかった」という殺虫剤ではありがちな失敗が交信かく乱剤では起こりません。
メリット 4
防除適期を外しません。
特長その3 設置が簡単
春先に一度、交信かく乱剤を枝に掛けるだけ。設置はとても簡単です。殺虫剤のように散布ムラやドリフトを心配する必要もなく、農作業の熟練度に関係なく、ベテランから素人まで誰が取り付けてもほぼ同じ効果が得られます。
メリット 5 | ベテランから素人まで誰でも簡単に使えます。 |
留意点 有効成分は「匂い」
交信かく乱剤の有効成分は匂いです。いかにムラなく畑に取付けられるかが防除成否のカギを握ります。面積が狭い圃場、風が強い地域、傾斜地などでは匂いが畑から流れ出てしまい、期待した効果が得られない場合があります。初めて使用される場合は、ご自身の圃場が交信かく乱剤に適しているか、JAや地域の指導者にご相談下さい。また、使用前には商品袋の「使用上の注意」をご覧ください。
交信かく乱剤は、できるだけ大きな面積で(地域でまとめて)使用すると効果的です。
留意点 その1
畑に均等に取り付けます。
留意点 その2
風が強い地域、傾斜地では期待した効果が得られない場合があります。
留意点 その3
小さい面積では期待した効果が得られない場合があります。
留意点 その4
できるだけ大きな面積で(地域でまとめて)使うと効果的です。
生産者の皆様へ
1. 安全・安心な農作物、ブランド化にご活用下さい。
● フェロモン剤は、農薬の散布回数にカウントされません。
● 化学農薬の散布回数を減らすことが出来ます。
2. 農作業環境の改善に役立ちます。
● 安心して散布作業が出来ます。
フェロモン剤(交信かく乱剤)一覧 |
メーカー名をクリックすると製剤説明に移動します |
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適用病害虫 |
適用作物 |
商品名 |
メーカー |
イネヨトウ |
さとうきび・飼料用さとうきび |
ヨトウコン-I |
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イラクサギンウワバ |
野菜類・いも類・豆類(種実)・花き類・観葉植物 |
コンフューザーV |
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オオタバコガ |
コナガ・オオタバコガ・ヨトウガが加害する農作物等 |
コナガコン-プラス |
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コナガ・オオタバコガが加害する農作物等 | コナガコン-プラス ロープ状製剤 |
信越化学 | |
野菜類・いも類・豆類(種実)・花き類・観葉植物 |
コンフューザーV |
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オキナワカンシャクシコメツキ |
オキナワカンシャクシコメツキが加害する農作物等 |
オキメラコン |
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キクビスカシバ |
キウイフルーツ |
スカシバコンL |
|
キンモンホソガ |
果樹類 |
コンフューザーAA |
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ケブカアカチャコガネ | さとうきび | ケブカコン | 信越化学 |
コスカシバ |
果樹類・食用さくら(葉)・さくら |
スカシバコンL |
|
コナガ |
コナガ・オオタバコガ・ヨトウガが加害する農作物等 |
コナガコン-プラス |
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コナガ・オオタバコガが加害する農作物等 | コナガコン-プラス ロープ状製剤 |
信越化学 | |
野菜類・いも類・豆類(種実)・花き類・観葉植物 |
コンフューザーV |
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シロイチモジヨトウ |
シロイチモジヨトウが加害する農作物 |
ヨトウコン-S |
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野菜類・いも類・豆類(種実)・花き類・観葉植物 |
コンフューザーV |
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スモモヒメシンクイ |
すもも |
ナシヒメコン |
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コンフューザーN |
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タマナギンウワバ |
野菜類・いも類・豆類(種実)・花き類・観葉植物 |
コンフューザーV |
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チャノコカクモンハマキ |
茶・果樹類 |
ハマキコン-N |
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果樹類 |
コンフューザーMM |
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コンフューザーN |
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チャハマキ |
茶・果樹類 |
ハマキコン-N |
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果樹類 |
コンフューザーN |
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ナシヒメシンクイ |
果樹類 |
ナシヒメコン |
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コンフューザーAA |
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コンフューザーMM |
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コンフューザーN |
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コンフューザーR |
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ハスモンヨトウ |
ハスモンヨトウが加害する農作物 |
ヨトウコン-H |
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野菜類・いも類・豆類(種実)・花き類・観葉植物 |
コンフューザーV |
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ヒメコスカシバ |
かき |
スカシバコンL |
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ヒメボクトウ |
果樹類 |
ボクトウコン-H |
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ミダレカクモンハマキ |
果樹類 |
ハマキコン-N |
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コンフューザーAA |
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コンフューザーR |
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モモシンクイガ |
果樹類 |
シンクイコン-L |
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コンフューザーAA |
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コンフューザーMM |
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コンフューザーN |
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コンフューザーR |
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モモハモグリガ |
果樹類 |
コンフューザーMM |
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ヨトウガ |
コナガ・オオタバコガ・ヨトウガが加害する農作物等 |
コナガコン-プラス |
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野菜類・いも類・豆類(種実)・花き類・観葉植物 |
コンフューザーV |
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リンゴコカクモンハマキ |
果樹類 |
ハマキコン-N |
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コンフューザーAA |
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コンフューザーMM |
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コンフューザーN |
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コンフューザーR |
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リンゴモンハマキ |
果樹類 |
ハマキコン-N |
|
コンフューザーAA |
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コンフューザーN |
|||
コンフューザーR |