微生物防除剤とは?

自然界に普通に存在する微生物のうち、「病原菌から植物を守る微生物」や「害虫から植物を守る微生物」を選抜し、生きた状態のまま使いやすく工夫した製剤です。病害虫から作物を守る効果、使用する微生物や製剤の安全性、品質などが審査され、農薬取締法に基く農林水産大臣による農薬としての登録を受けたもので、一般的には微生物農薬と呼ばれています。

特長・メリット

特長その1 安全・安心をお届けします

いつも手に触れ、肌で感じている植物の表面や土壌の中。1グラムの畑土の中には約1億個の微生物が生存しており、共生、せめぎあい、駆逐などの生命活動が繰り返されています。これこそが地球に生命が誕生した約30億年前から続いている自然であり、人との触れ合いの歴史も数百万年に及びます。その中から選抜された微生物は正に自然そのものといえます。 もちろん、農林水産省が定めた「微生物農薬ガイドライン」に沿って安全性試験を実施し、学識経験者の審議を経て安全性が確認されています。人にも環境にも優しいのが特長です。

  1. 消費者が求める安全・安心な農作物生産が出来ます。
  2. 農作業をする人に安全です。
  3. 地球環境に負荷を掛けません。

特長その2 耐性菌や抵抗性害虫の心配がありません

微生物防除剤に対する耐性菌や抵抗性害虫の出現可能性は非常に低く、また化学農薬が効き難くなった耐性菌、抵抗性害虫にも変わらず効果を発揮します。
化学農薬のほとんどは病原菌や害虫の毒物として作用しますが、微生物防除剤の効果の仕組みは、自然の生命活動そのものです。例えば、病原菌が付着する場所を先に占拠し、植物への感染が起こらないようにガードする微生物の利用や、寄生して害虫を殺す微生物の利用などです。これまでの化学農薬とは全く異なるメカニズムなのです。

  1. 耐性菌や抵抗性害虫の存在が気になりません。
  2. 永くご使用いただけます。
    (耐性菌や抵抗性害虫が発生しない)
  3. 化学農薬の使用回数を減らせます。

留意点

微生物防除剤は、「生きた微生物」「自然のメカニズム」であるが故の留意点もあります。使い方を誤ると効果が発揮しないことがありますので、留意願います。

*商品袋の「使用上の注意」をよく読むか、販売店にお問い合わせ下さい。

  1. 環境条件によっては死滅します。
    (冷暗所で水分を避けて保管しましょう)
  2. 働かせるための環境条件が必要です。
  3. 効果がマイルドに発現します。

生産者の皆様へ

1.安全・安心な農作物、ブランド化にご活用下さい。
 ● 微生物防除剤は、農薬の散布回数にカウントされません。
 ● 化学農薬の散布回数を減らすことが出来ます。

2.農作業環境の改善に役立ちます。
 ● 安心して散布作業が出来ます。
 ●特に閉鎖空間(温室など)での長時間農作業も安心です。

日本生物防除協議会について

JBCA

日本生物防除協議会(Japan BioControl Association)は、日本微生物防除剤協議会(2006年~)および日本バイオロジカルコントロール協議会(1997年~)の合併により、2016年4月に発足いたしました。 生物農薬(天敵製剤、微生物殺虫剤・殺菌剤)及びフェロモン剤を用いた生物防除技術だけではなく、それらの技術と併用可能な化学農薬を合理的に組み合わせた「IPMプログラム」を確立し普及・啓蒙することで、持続可能な農業生産を支え、日本農業の発展に寄与することを目指します。 ご支援、ご協力いただける会員を募集しておりますので、作物保護製品・技術の製造販売および普及に取り組まれている皆様方におかれましては、ぜひご入会くださいますよう宜しくお願い申し上げます。