発生予察用フェロモン剤

昔は、害虫の発生状況を把握する方法(発生予察の方法)として、畑で捕虫網を振ってネットに入った虫を数えるスイーピングや、水銀灯などの光で集めた虫を数えるやり方が一般的でした。経験者は分かると思いますが、これらの方法だと、害虫・益虫かまわず様々な昆虫が捕獲されるため、捕まえた虫の分別がとても大変です。それなりに分類学の知識が必要でもあり、誰でも簡単にできるシロモノではありませんでした。
ところが、種特異性が高く狙った虫を捕獲できる性フェロモンを利用すると、発生予察は飛躍的に簡単になります。日本植物防疫協会が斡旋しているリストから目的の害虫の資材を購入すれば、初心者でもすぐに害虫の発生状況を把握することができます。

(注意事項)
発生予察用フェロモンは、農薬登録を受けおらず、「虫を集めて被害を減らす」という目的には利用できません。
あくまでもその畑にどのくらい虫がいるかのチェックに使います。その結果、「今年は虫が少なそうだから、殺虫剤を撒くのを止めておこう」とか「発生がピークみたいだから、今のうちに殺虫剤を撒いてしまおう」などの判断が可能となります。
発生予察用フェロモン剤は、殺虫剤を上手に利用するための補助資材でもあります。

日本生物防除協議会について

JBCA

日本生物防除協議会(Japan BioControl Association)は、日本微生物防除剤協議会(2006年~)および日本バイオロジカルコントロール協議会(1997年~)の合併により、2016年4月に発足いたしました。 生物農薬(天敵製剤、微生物殺虫剤・殺菌剤)及びフェロモン剤を用いた生物防除技術だけではなく、それらの技術と併用可能な化学農薬を合理的に組み合わせた「IPMプログラム」を確立し普及・啓蒙することで、持続可能な農業生産を支え、日本農業の発展に寄与することを目指します。 ご支援、ご協力いただける会員を募集しておりますので、作物保護製品・技術の製造販売および普及に取り組まれている皆様方におかれましては、ぜひご入会くださいますよう宜しくお願い申し上げます。