大量誘殺剤

性フェロモンは、微量で狙った虫を確実におびき寄せ、毒性がきわめて低いという特徴があることがわかりました。このような性フェロモンの利用法として真っ先に思い浮かぶのは、性フェロモンの強力な誘引力でオスを根こそぎ取り除いてしまおうというやり方です。身近な例だと、ゴキブリホイホイがこれに相当するでしょうか。
大量誘殺剤は、野外の性比を極端にメスに偏らせることにより交尾率を下げ、次世代の害虫の発生を減らすことを目的とした商品です。
非常にわかりやすい防除方法であるため、多くの種で実用化が検討されましたが、商品化に至った害虫は、ハスモンヨトウ、オキナワカンシャクシコメツキ、アメリカシロヒトリの3種のみです。

フェロモン剤(大量誘殺剤)一覧

適用病害虫 適用作物 商品名 メーカー
ハスモンヨトウ雄成虫 いも類、豆類など フェロディンSL / フェロディンSL 住友化学 / 協友アグリ
アメリカシロヒトリ雄成虫 樹木類 ニトルアー <アメシロ> 出光興産

※製品に関する最新情報は各社の「製品ページ」でご確認ください。

日本生物防除協議会について

JBCA

日本生物防除協議会(Japan BioControl Association)は、日本微生物防除剤協議会(2006年~)および日本バイオロジカルコントロール協議会(1997年~)の合併により、2016年4月に発足いたしました。 生物農薬(天敵製剤、微生物殺虫剤・殺菌剤)及びフェロモン剤を用いた生物防除技術だけではなく、それらの技術と併用可能な化学農薬を合理的に組み合わせた「IPMプログラム」を確立し普及・啓蒙することで、持続可能な農業生産を支え、日本農業の発展に寄与することを目指します。 ご支援、ご協力いただける会員を募集しておりますので、作物保護製品・技術の製造販売および普及に取り組まれている皆様方におかれましては、ぜひご入会くださいますよう宜しくお願い申し上げます。