天敵線虫

自然界には線虫という小さな生き物がいます。
土の中に住んでいる線虫には植物に寄生して養分を吸収するもの、動物に寄生して養分を吸収するもの、カビや細菌を食べて生活するもの等様々な種類がいますが、これらのうち特定の昆虫だけに感染し殺してしまうものを天敵線虫(昆虫病原性線虫、スタイナーネマ)とよびます。

スタイナーネマの感染態3期幼虫は、土壌中で宿主昆虫に遭遇するとその開口部(口、肛門、気門)より体内に侵入し、中腸を経て血体腔に侵入します。ここで共生細菌を放出し、体液中における細菌の増殖により昆虫は敗血症を起こし死亡します。通常、防除効果が現れてくるには散布後、2〜4週間かかります。

線虫は、増殖した共生細菌により分解された宿主の組織や細菌自身を摂食し、4期幼虫、第1世代成虫へと成長し、交尾後産卵します。さらに第2〜3世代目を経て、あらたな感染態3期幼虫として昆虫体内に蔓延します。増殖した感染態3期幼虫は昆虫体外に脱出し、次の宿主を求めて分散していきます。

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日本生物防除協議会について

JBCA

日本生物防除協議会(Japan BioControl Association)は、日本微生物防除剤協議会(2006年~)および日本バイオロジカルコントロール協議会(1997年~)の合併により、2016年4月に発足いたしました。 生物農薬(天敵製剤、微生物殺虫剤・殺菌剤)及びフェロモン剤を用いた生物防除技術だけではなく、それらの技術と併用可能な化学農薬を合理的に組み合わせた「IPMプログラム」を確立し普及・啓蒙することで、持続可能な農業生産を支え、日本農業の発展に寄与することを目指します。 ご支援、ご協力いただける会員を募集しておりますので、作物保護製品・技術の製造販売および普及に取り組まれている皆様方におかれましては、ぜひご入会くださいますよう宜しくお願い申し上げます。